研究開発

開発STORY01 CTV用ベルトBANDO AVANCE

[ 開発の背景 ]

1980年代初め、自動車会社では、速度に応じてギアを変える従来のマニュアル変速と違い、ベルトを用い、より滑らかで、低燃費の走行を実現できるCVT(無段変速システム)の導入が検討されていました。仕組みとしては、エンジンの回転を車軸に伝える2組のプーリの幅をエンジンの回転に合わせて変化させ、それをベルトで伝達し、溝の幅の変化でベルトの回転速度も自在に変えるというものです。当時は、金属ベルトが使用されていましたが、CVT用ベルトのニーズと将来性を察知し、早速開発に着手しました。

ゴム製ベルトでの挑戦、挫折

CVT用ベルトは大きな荷重が加わるため、丈夫な金属ベルトが使用されていました。しかしながら、ゴム製ベルトの方が、曲げやすく、燃費は優れていました。「うちはゴム製ベルトのパイオニア。世界一を作ってみせる」と、特命チームが発足。ベルトには、引張力の強さ、側圧への耐久性、曲がりやすさの3つの品質が求められますが、CVT用は、いずれも従来のベルトの5~10倍の強度が必要で、ゴム強度のアップに挑戦しましたが、試作品は高速回転に耐え切れずバラバラになり、あえなく失敗し、挫折。「求められる品質のケタが違いすぎる」「世界のどこにもないものを、どうやって作るのか」行き詰った特命チームには、開発コンセプトの抜本的な見直しが求められました。

発想転換、念願の量産化

「やはりゴム製では成立しない。」そこでベルトに求められる3つの品質をそれぞれ別の素材に分担させるというコンセプトに着想。引張力はゴムと合成繊維を改良し、アルミ合金が側圧を受け止め、曲がりやすさは、樹脂製のブロックを数珠つなぎにして対応する「複合ベルト」と言うアイデアが固まるまでチーム発足から2年が経過していました。その後も高速回転での早期破損や長期間、安定作動する信頼性の獲得など、さまざまな壁にぶつかりながらも社会に貢献する世界初の製品を開発するとの信念でトップから「やめよう」という言葉は一度も出ず、技術者達も決してあきらめることはありませんでした。
転機は、1995年、3年後に控えた軽自動車の規格変更を背景とした安全対策のため、排気量を変えずに車体を大きくするという背景の中、燃費や走行性能を維持する切り札としてCVTが脚光を浴び始めました。複合ベルトの改良を重ね、開発着工から実に19年、延べ200名を超す技術者が携わった製品への思いが結実し、1998年に念願の軽自動車への量産納入を成し遂げました。完成したベルトは、アルミ合金を特殊樹脂でコーティングしたブロックをゴムと合成繊維でつなぎ合わせた世界初の複合素材の乾式CVTベルト「バンドーアバンス®」となりました。

さらなる可能性への挑戦

1998年の量産納入開始以降、軽自動車向けに30万本以上の生産実績を積み上げました。その後、大型のスクーターのCVTユニットのほか、スーパーチャージャーユニットにも採用される等、量産納入を続けながら、さらなるベルト性能の向上に向けた改良研究を続けています。

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